涙が出ちゃう、だって地獄だもん

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次の日、薙刀部へ足を運ぶ私は昨日よりマシだと思った 大抵やる事一緒だし、考え方をかえてみれば洗濯も掃除もドリンク作りも一人暮らしの練習だと思えばいい じゃないとマジで泣きそうだ(爆) 昨日と同じく挨拶をして仕事を開始する 薙刀部専用洗濯機にタオルを突っ込んで起動させ、ドリンクを作って薙刀部専用冷蔵庫に入れる ちなみに部専用洗濯機+冷蔵庫があるのは剣道部+薙刀部+弓道部だけだ 全国大会優勝4連覇という実力が評価されたのかうちの待遇がいいらしいが 噂によると天野君が生徒会長の権限で校長に買わせたとかなんとか 恐ろしい… 「すみません、桂川先輩…」 掃除をしようとした時、後ろから声がした 「どうしたの~…って、手首青いじゃないか」 「ちょっと打っただけなんです」 まだ一年生であろう男子生徒(三橋と胴着に刺繍してあった)は手首を押さえながら少し痛そうな顔を見せた 右手首は青色に変色している おそらく薙刀に当たったのだろうが取り敢えず湿布を巻いて包帯を巻く 「とりあえず今すぐ病院行った方がいい、部長には話しておくから」 「自分はまだ出来ます!!」 「けどあくまで応急処置だし、先生は居ないから正確には分からないし変色も酷いから骨に「でも…っ!」…あのさ」 一呼吸置いて三橋君の見て忠告する 「頑張りたいのはいいけど悪化して泣くのは君一人だよ?」 その時、白河君が来た 「三橋、様子はどうだ?」 「…………………」 「彼、ちょっと手首の変色具合酷過ぎるから病院に行った方がいいかも知れない 先生今日いないからさ」 三橋君が黙ったままなので私が白河君に状況を話す 「三橋、今すぐ病院に行け」 「部長、自分はまだ」 「怪我人に薙刀を握らせる訳にはいかない これは部長命令だ」 「…分かりました」 白河君の言葉に少し泣きそうな三橋君だが部長命令なら仕方ない 「桂川先輩ありがとうございます」 「気にしないで、お大事に」 そして三橋君は荷物を持って部室を後にした 「桂川、済まなかった」 「?何が」 「仕事までさせ、三橋の手当てまでさせてしまった」 「気にしないで、白河君のせいじゃないよ(笑)」 そう、あの魔王様が悪いのだ(爆) 「…ありがとう、桂川 そう言って貰えると助かる」 ・今日分かった事 白河辰樹は心優しいマイナスイオン溢れるいい人だ!! あと残りはあの馬鹿の部活のみ!! そして私は平和な学生ライフを送れる!!
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