An Army

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ガキィィン 広い空間に金属と金属がぶつかり合う音が響く そこには強靱な体に鎧を羽織り、剣を構えた二人の兵士が対峙していた 二人は近すぎず、遠すぎない距離を保ちつつ、 時に剣を煌めかせて相手に飛びかかり 時に様子を見るように距離を離して戦っていた 見る限り二人の剣の腕前は達人級かつ互角で、単調な変化のない探り合いの戦いを展開していた しかしその戦闘はかなり続いているようで、兵士たちはお互いに疲労を隠せない状態となっていた 「これを最後にしないか……?」 その兵士は長身で、長い黒髪に茶色の目を持った容姿淡麗な青年だった、 そしてそう言うと同時に剣を地面に沿わせつつ全力で突進した その勢いはこれまでに無い速さであり、下手に防御しても貫かれそうな勢いであった しかしもう一方の兵士… 短めの銀髪に髭面、大柄な男 「…おぅ!!」 そう答えると、意を決したように深い黒色の目の目つきを変えて手にした剣を大上段に構えた 黒髪の兵士は助走で勢いをつけた剣を一気に振り上げる! それと同時に銀髪の兵士も全ての力を込めて剣を振り下ろした! まるで時間が止まったかのような一時が流れ、二人の剣はスローモーションがかかったかのように見える そして二振りの剣が触れ合い、交差する……
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