An Army

3/9
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
激しい音と共に輝く何かが高く高く宙を舞った チャキ 二人の兵士は先ほどまでの激しい動きから対照的に、どちらも接近した状態のまま全く動かなかった よく見ると、黒髪の兵士の剣は銀髪の兵士の首筋にあてられている そして銀髪の兵士の手に剣はない 勝負が決まったようだ しかしまだ緊張は解けておらず、二人とも動かない そこに高く飛んだ何かが地面に突き刺さる 銀髪の兵士の剣だ それをきっかけに二人の緊張の糸が切れ、同時に訓練所の地面に仰向けに倒れる 「流石ハワード…ハァ…俺の負けだよ…ハァ」 と銀髪の兵士が息が荒いまま呟く 「いや…ハァ…リド…お前だって…ハァ……強かったよ……」 ハワードと呼ばれた黒髪の兵士も答えた 「…………」 「…………」 何故か二人とも黙り、沈黙と荒い息づかいだけがその場を支配した その沈黙の中に一人の軍服を着た老人が現れる 「………」 老人は二人を見ると、沈黙を破って言葉を出した 「ハワード君……"スネーク・ユニット・コマンダー"に合格おめでとう 君に"ソルジャー"の称号を与える」 老人は少しの微笑と共に黒髪の兵士、ハワードへ話しかけた
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!