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どのくらい紙と睨めっこしていただろうか。
僕はペンを手にしたはいいものの、何を書けばいいのやらさっぱり思い付かないでいた。
だいぶスッキリはしたがまだ重たい頭を横に振る。
"普通"なヤツなんかいない、か..
僕は不意にマスダ院長の言葉を思い出した。
じゃああの少女の存在はなんてあらわせばいいんだ..?
同時に昼間の一連の出来事が頭の中をよぎる。
大好きな赤を愛する人に見せたくて犯した殺人。
少女の皮をかぶった異常な犯罪者。
あの不気味な笑顔、思い出すだけで鳥肌がたつ。
あれも僕という人間と区別してはいけないのか..?
ははは、笑えてくる..
この世には"正常なヤツ"と"異常なヤツ"しかいないんだ..
"普通""普通じゃない"の枠で分けて何が悪い..
僕はギュッとペンを握り締める。
そしてそのままペンを動かした。
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