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チュパ.. チュパ.. チュパ..
耳障りな、ねっとりと気持ちの悪い音。
そこには、赤ん坊が使うようなおしゃぶりをひたすらしゃぶり続ける男がいた。
ベットの上であぐらをかく男、それは紛れもなく先程見た資料に乗っていた男である。
な、なんなんだ、この男は..!!??
僕は驚きで目を丸くしたままその男を凝視した。
辺りに散乱する噛み契られたおしゃぶりの数々。
そのコワもての顔とおしゃぶりとのギャップに、僕はなんと言葉をかけていいのか分からなかった。
ブチッ!!!!
その時だった。
男の口にくわえられていたおしゃぶりが勢いよく引き契れたのである。
僕はあまりの音に肩をビクつかせた。
そんな僕を男の瞳がゆっくりととらえる。
「な、なな何か用か」
軽くどもりながらも男は低い声で言葉を発した。
「あ、えっとその..」
僕は相手の急な態度に戸惑い一瞬口ごもる。
えっとどうすればいいんだ..
と、とりあえずまずは自己紹介か..
僕は自分を落ち着かせるためにゴホンッと咳払いをすると、ゆっくりと言葉を選びながら話始めた。
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