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‐―…カラン…
「いらっしゃいませ…あ、片岡さん…」
入り口に目を向けると、片岡が立っていた。
「こんにちわ。なかなか良い店だね」
「…どうも。今日は、仕事休みなんですか?」
片岡はカウンターに座りながら、コーヒーを注文する。
「いや、仕事だよ。昼休みなんだ」
メニューを見ながら言う。夕夜はそんな片岡を覗き見ながら、告白されたことを思い出す。
(一目惚れって言ってたけど…どこを気に入ったんだろ)
コーヒーを差出しながら、そのことをぐるぐる考える。
(もう、いっそ聞いてみれば早いかな)
「…あ、あの…」
‐―…カラン…
タイミングよく、客が入ってきた。
「あ…いらっしゃいませ」
「よーぅ、夕夜ちゃん、繁盛してるかぃ」
常連の客だった。しかし、今日は、タイミング悪い…
「…あんた、浅桐組の組長じゃねぇか…!!」
「あぁ?…てめぇ、片岡…何で刑事がこんなとこいやがるっ!!」
刑事と極道が…最悪だ。他の客も迷惑そうだ。しかし、周りなど気にせず、二人はさらに一触即発な空気に…
「ちょっ、二人とも他のお客さんの迷惑になる…」
「はっ。それはこっちの台詞だ。まさか、ここでヤクの取引なんざしてないだろうな」
「してようがしてまいが、てめぇらサツになんか言うかよ!!とっとと失せろ」
ブチッ―――
「うるさぁーいっ!!」
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