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―ゴンッ!!―
痛そうな音があたりに響き渡った。
「っつ…咲…月さ、ん…」
「くぅっ、夕夜ちゃん…久々にコレはキツイわ…」
二人から悲痛の声が漏れる。夕夜が二人の後頭部を掴み、お互いの額に向けて思いっきり引き寄せたからだ。
「喧嘩両成敗です。この敷地内で揉め事禁止だって、言いましたよね?浅桐さん…?」
口元に笑みを浮かべながら、浅桐に言う。しかし、眼が全く笑ってない。
「悪かった。つい…な、サツ見るとカッとしてしまうんじゃ」
素直に謝る浅桐を、片岡は茫然と見る。
それに気付いた夕夜が説明をする。
「この店にはちょっとした決まり事があるんです。この店、マンションの敷地内での揉め事は禁止。やったら、さっきみたいに両成敗です。あと、全席禁煙です。煙草を吸わない人に迷惑なんで」
「つーことじゃ。ま、ここじゃ仲良ぅしようや」
ここ特有の規則にも驚いたが、浅桐組の長が素直に受け入れていることにも驚く。
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