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「え?あ…ありがとうございます?いえ、どういたしまして?」
「俺は△△警視庁、刑事。片岡恭弥です。警察手帳も見る?」
さっさと話を進めながら、返事をする前に手帳を見せる。刑事としてはかなり若い気がする。しかも、背が高く、かなり美形だ。
「で、このバッグはあんたの?」
「いえ、違います」
「じゃ、持ち主はどこいんの?」
(…そういえば、確認する前に追い掛けたから顔見てない…おまけに、おいてきちゃったし)
捕まえた後のことなど考えてもいなかった。どうしようかと悩んでいると、携帯が鳴った。
「あ、すいません。もしもし」
片岡にあやまり、携帯に出ると、友達だった。
「引っ手繰り捕まえたよ。うん。…その信号渡ったとこいるから。うん、ごめんって。はーい」
携帯を切り、
「今、友達が持ち主さんとこっちに向かってるそうです」
片岡に伝えながら、心の中で友達に感謝した。
「あ。来た来た。こっちだよー」
向こう側に友達の姿を確認してを振る。手を振り返す友達の隣には小柄な初老くらいの女の人がいた。
「あなたがバッグの持ち主ですか?」
持ち主と片岡が話している間、自分は友達に説教されていた。
「あんた、自分がどんだけ危ないことしたと思ってんの?!刑事さんがいたから良かったものの、自分で捕まえようとして、相手がナイフとか持ってたら最悪、死…ちょっと!!聞いてる?!」
「……聞いてマス。(聞いてないけど)」
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