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「さとこ、今日ヒマ?」
放課後になるとすぐに幸平が話し掛けてきた。
いつも一緒に帰っているのになぜ改まって言うのだろうか。
「ヒマだよ。それがどうしたの?」
「ならちょっと一緒に付き合ってほしいとこがあるんだ」
「別にいいよ。付き合ったげる」
私は鞄を持って椅子から立ち上がる。
一応机の中に手を入れ、忘れ物がないかチェックする。
忘れ物がないとわかると幸平と並んで教室から出る。
けど、その日に限って違和感を感じた。
いつもなら一緒に帰っていると何か喋るのに、今日は一言も喋っていない。
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