幸せ

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 昼休み。  私は久しぶりに幸平に話し掛けた。 「幸平……その、放課後は暇?」 「え?暇だけど」 「なら放課後に屋上。いいね」 「ん、わかった」 「よし、絶対来るんだよ」  交わした言葉はこれだけ。  それだけで良い。  もし、これ以上話しをしていたらまた好きになってしまう。  それだけは駄目だから。  私と幸平はお互い好きになってはいけないから。  兄妹でも好きになる、一緒にいるとは言うけど、そんなの漫画やアニメの中でだけだ。  なら、なぜ話し掛けたのか。  それはあの日、美穂ちゃんと約束したからだ。
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