幸せ

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 ―放課後。  だから、今日その約束を守る為に幸平に話し掛けたんだ。 「じゃあ、行ってくる」  美穂ちゃんは幸平が教室から出ていってから数分、意を決したように言った。 「行ってらっしゃい」  だから、私はそれを見送る。  例え結末がどうであれ、私はそれを受け入れる事が出来るだろう。  私は美穂ちゃんが出ていくのを見送ると、屋上に一番近い空き教室に向かう。  ここにいれば、教室の中からでも階段を上り下りする人が見れるからだ。 (……頑張って……美穂ちゃん)  私は親友の成功を祈りながら、その場で静かに待つ。
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