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‐おや、来客とは珍しい。一体どなたかな。
死神に来客があるのは、久方ぶりであった。
死神は上機嫌で迎えに行った。
「おや…珍しい…本当に珍しいよ。来客があることだけでも珍しいのに…その来客が君とはねぇ…」
「頼む…もうあんたしかいないんだ…」
「そりゃ神に捨てられた奴を拾うのは、悪魔でもしないだろうねぇ。悪魔は、神に捨てられ尋ねてくる奴が嫌いだからねぇ。」
死神はニヤニヤしながら話した。
来客は神に捨てられた天使。
つまり堕天使だ。
「堕天の君が神の端くれに何の御用かな?」
「この子を…助けてくれ…」
堕天使になった理由を死神は、腕の中を見て理解した。
そこには赤子がいたのだ。
「その子は人間との間に得た子だね。」
「あぁ…だが母親はこの子を産んで間もなく死んでしまった…」
死神は終始ニヤニヤしていた。
今の状況が楽しくて仕方ないのだ。
「それで?何がお望みかな?」
「この子の…名付け親になって欲しい。」
「…くくくっ。」
死神は喉を鳴らしながら笑った。
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