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神や力のある者に名付け親になってもらうと、その子供はなんらかの形で幸せを掴む。
それがこの世界での決まりごと。
「頼む…」
「いいよ。名付け親になってあげるよ。その子供には将来、富に恵まれることを約束しよう。」
「ありがとうございます…!!」
死神にはこの男の死が見えた。
これも何かの縁、名付け親になってみるのもいいかもしれないと思い名付け親になった。
数日後、死神はあの男を迎えに行った。
死神には見えていたのだ。
自分がこの男を迎えに行く姿を…。
男は亡くなり、子供は母親の親戚に育てられた。
それから月日は流れて子供は年を取り、18になった。
「なんかいいことないかなぁ~。」
「やあ。久しぶりだね。」
「きゃあ!!」
後ろから突然話し掛けられ驚いたが、振り向いてさらに驚いた。
「…あなた…何?」
人ではない
そのことだけは理解出来た。
「小生は死神さ。」
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