死神の名付け親

11/11
前へ
/108ページ
次へ
「反省してる?」 「してる!すっごく反省してるわ!!」 娘は死神に縋りつきながらいった。 その目には涙が溢れていた。 「…じゃあこの蝋燭に炎を移し替えてあげよう。」 「ありがとう!!」 死神はどこからともなく蝋燭を出現させた。 そして、その蝋燭を持って、娘の蝋燭の元へと近づいた。 「くくくっ。」 「え…?」 死神は蝋燭に近づく振りをして、間合いをとり大鎌を使って娘を殺した。 その為、娘は亡くなってしまった。 「…くくくっ。愚かだったね。希望を持ったまま死ねて良かったね。全部嘘だったのに…くくくっ。」 死神は娘の死体に語り続けた。 「ここは地獄に通じる洞窟で、この蝋燭は罪の長さを表しているんだよ。君には堕天使の父親がいるからねぇ。罪はこれっぽっちしかないのに、天国に行くことは出来ないんだよ。まぁ、小生のいる魔界にくるのもいいけど…後は君に任せるさ。閻魔大王もそうさせるはずだからねぇ。それじゃあ失礼するよ。くくくっ…。」 その後娘がどんな道を選んだのか死神は知らない。 知ろうともしなかった。        了
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4568人が本棚に入れています
本棚に追加