皿屋敷

3/11
前へ
/108ページ
次へ
「お願いします!“アレ”をどうにかして下さい!!いくらでも払いますから!!」 <うわー。こりゃ普通の霊媒師は断るわなぁ。> 目の前には、哀願する男が1人と… 「あなたはあの霊に心当たりはないのですか?」 びくっ! <あるんだな。> 俺の主人がいる。 「とっ、とんでもない!心当たりなんてありません!」 <うわー。断わりてぇなぁ。でも金ないしなぁ。> 「お願いします!どうか!!」 「分かりました。引き受けましょう。」 <あーぁ。> 俺の主人は、すんなりと依頼を引き受けてしまった。 「依頼聞いてただろ?そーゆーことだから頼んだよ。」 <なぁにが頼んだよだ!先祖が見たら泣くぞ!!> こいつは京に勤めていた陰陽師の末裔。 俺は長年この家の陰陽師に仕えているのだが…。 こいつはありえない 京に勤めていた頃は金に困ったことがなかった。 しかし、こいつは金使いが荒い。 依頼もそんなに多くないのに、浪費癖がひどいために貧乏陰陽師をやっている。 ま、表向きには払い屋だったり、占い屋だったりいってるがな。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4568人が本棚に入れています
本棚に追加