ワン・ナイト・クリスマス

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>『あれはクリスマスだよ。』物知りのジェームスが答えました。 >『楽しそうで、美味しそうだな。』マットは言いました。 >『うん。きっとすごく楽しくて、すごく美味しいんだろうね。』ジェームスも言いました。 >『俺たちもクリスマスが欲しいな。誰か、クリスマスを捨てないかな?』マットが言いました。 >それを聞いたジェームスはくすっと笑いました。『クリスマスを捨てる人はいないよ。』 >『じゃあ、俺がクリスマスを盗ってくるよ。』マットが言いました。 >それを聞いたジェームスはますますおかしそうに、『いや、クリスマスは盗ったりもできないんだよ。』と言いました。 >納得できないマットの為に、ジェームスは一晩かけてマットにクリスマスがどういうものか説明しましたが、マットはほとんど理解できませんでした。 > >だけど次の日の朝、二人は路地裏のゴミ捨て場に、大きな食べかけの鳥肉がまるまる捨てられているのを見つけました。 >そんな立派な鳥肉を見るのが初めてな二匹は、すぐにそのかたまりに飛び付きました。 >『美味しいな。』鳥肉を頬張りながらマットが言いました。 >『美味しいね。』ジェームスも言いました。 >『ほら、』マットが自慢げに言いました。『クリスマスを捨てる人間だっていただろ?』
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