3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
『違うよ、マット。絶対に捨てたり、盗ったり出来ないものがあるんだ。』ジェームスはマットをなだめるように言いました。
>『嘘だ!だって、ジェームスだって人間に盗られちゃったじゃないか!』
>マットは大粒の涙をいくつも零しました。
>『マット…』
>ジェームスはマットの背中に顔をこすり付けました。
>『違うんだマット。僕はこうしてずっと君のなかにいるんだ。ずっと。
>マットのなかの僕は、ぜったいに誰にも盗られたりしないよ。
>誰にも、盗られない。』
>
>マットは懐かしいスタンの小さな顔に、鼻を押しあてました。
>懐かしい小さな息遣いが聞こえました。
>『ジェームスは誰にも盗られない』マットは呟きました。『ありがとう、ジェームス。』
>それを聞いたジェームスは安心したようにくすっと笑った後、すうっとどこかへ消えてしまいました。
最初のコメントを投稿しよう!