車内

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翌日雲雀が風紀委員の仕事を終えて学校の玄関から出ると、校門の前にこの町には似合わない高級車が停まっていた。   「恭弥、久しぶりだな」   車の窓から顔を出したのは、昨日迷惑な時間に電話をディーノだった。   「君すごく目立ってるよ」  雲雀は高級車に金髪の美形の青年が乗っているのだから当たり前だと思いながら、自分と同じように下校しようとする女子を睨む。   「目立ったほうが恭弥に悪い虫がつかなくていいんだよなぁ」   「悪い虫なんて僕が退治するよ」   「あいつは退治できねぇんじゃねぇのか?」   ディーノはそうつぶやきながら車から降りてくると雲雀の腕をつかみ、強引に車内につれていく。 雲雀はディーノの軽率な発言に怒りながらも素直にその車助手席に乗った。 後部座席にはいつものように部下がいたがそんなことにはもう慣れていた。   「どこか行きたいとこあるか?」   「そんなところないよ」   「じゃあ、まず飯食いにいこうぜ」   ディーノは雲雀の知らないイタリアのラブソングを車内にかけて、その曲を鼻歌で歌う。   「君気障だね」   「そうか・・・?」   ディーノは運転しながら首を傾げる 「そのテクニックで何人女を落としてきたの?」   「・・・何聞くんだよ。俺は恭弥以外にこんなふうに接したことないぜ」 雲雀の問いにディーノの唇ははすらすらと甘い言葉を紡いでゆく。   「君って本当にイタリア人なんだね」   雲雀は本心を口にするとトンファーを取り出す。   「どうしたんだ。」 「下ろして。今日は帰る」 ディーノは車を適当なところに止めると急に雲雀を自分の方に抱き寄せて唇を奪う。 「・・・俺の愛を教えてやるよ。」
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