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満月の日の真夜中。
自分の部屋にいた雲雀の携帯が鳴った。
こんな時間に彼へ電話してくるのは相手はキャッパローネのボスで彼の恋人のディーノだけである。
雲雀はけだるそうに机の上に置いてあった携帯をとり、通話ボタンを押す。
「もしもし、また電話かけてきたの?」
雲雀はそっけない態度でわざわざ電話をかけてきた相手に接する。
『今日は伝えたいことがあったんだって』
電話口から聞こえてきたディーノの声はいつもと同じものだった。
「早く言ってよ。僕は早く寝たいんだからね」
『そうか・・。じゃあどうしてこんな時間まで起きてたんだ?』
「月が明るすぎて眠れなかっただけだよ」
雲雀は窓から月を見つめてそう相づちを打つ。
『恭弥が寝れねぇくらいだから今夜の月はきれいなんだろ。』
「まあね。でも、もうそろそろ用件を言ってもいいんじゃない?」
ディーノは声をだして苦笑をすると、深呼吸を一回して本題を話し始める。
『ようやっと大きい仕事が片付いたからさ、明日恭弥に会いに行くぜ』
「急にそんなこと言われても僕は忙しいから、開かないよ。まぁ夜なら会ってもいいけど・・・」
『わかった。じゃあ明日な』
そう言うと電話が切れ、一人の雲雀の部屋の中は静寂に包まれた。
彼は元の場所に携帯を置くとそのままベットに倒れこみ、瞳を閉じた。
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