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「短編屋……ですか?」
「代々ここで商売しとるよ。」
「あの……短編屋って言うのはいったい何なんですか?こじんまりとした店内を見渡す限り、本は一冊もない。どうも私には、雑貨屋にしか思えないのですが?」
「短編小説とは不可思議な事が主人公に襲い掛かるじゃろ?話の最後はだいたいどんでん返しに終わる。」
「はい。私も好きで、たまに読んでます。」
「この店に置いてあるのは、そう言った商品なんじゃよ。」
「はい?」
「ほれ!例えばそこの腕時計は時間を止められる。あれは暗殺玩具。この消しゴムはタイムマシーンじゃよ。」
「まさか!?」
「信じるか信じないかは、お前さん次第じゃ。」
「………で、いったい何を盗まれたのですか?」
「王冠じゃよ。」
「何が起こるのですか?」
「聞きたいかい?」
「参考までに。」
「かぶると王様になっちまうんじゃよ。」
「王様に!?」
「ただし、寿命が残り一分になっちまうんじゃよ。まあ、人生の最後に地位と名声が得られるって代物じゃな。今頃、どっかで死んどるんじゃないか?」
「ま、まさか!?」
「ならお前さん。このマントを付けてみるかい?効果は王冠と同じじゃよ?」
「え、遠慮しときます。」
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