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息子が誘拐された。
「分かったな!警察に言ったらお前の息子は殺す!金を用意できなくても殺す!」
妻は、この衝撃的な事実に堪えきれずに寝込んでしまった。
「息子は無事なんだろうな!」
「もちろん。」
「なら!息子の!息子の声を聞かせてくれ!」
「パパ~!」
息子の声を聞いた瞬間。私は、受話器を持ったままその場に座り込んでしまった。
「………分かった。言われた通り金は用意する。」
「利口なパパだ。2時間後にまた連絡する。」
「分かった。」
しかし、そんな大金などあるはずもなかった。
「ガチャン!」
誘拐犯からの3回目の電話を切ったあと、私は決意した。
自分自身の手で息子を救おう!
こんな時の為に用意しておいた物が役に立つとは、皮肉な話だ。私は、地下室に走り、ガラクタの奥にある金庫を開け、そいつを取り出した。
「あんな奴らに息子を殺されてたまるか!」
私のそれを握りしめる手は震えていた。そして
「今…助けてやるからな……。」
「ピッ!」
「ドガァァァァァァァン !!」
息子の体内に仕掛けておいた爆弾のスイッチを押した。
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