序章

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武士達の気が狂ったかのような雄叫び。 断末魔の叫び。 それらに混じる刀の金属音。 死体が多過ぎて地面が見えない。 耳は麻痺した。 目は霞む。 鼻は血以外の匂いがわからない。 目の前の鎧も壊れ刀の折れた血だらけの敵が切り掛かって来た。 哀れむように俺は敵の胸を血濡れた刃で貫いた。 血しぶきが舞い上がる。 降り注ぐ血しぶきに視界は紅に染まる。 ああ おれはどうしてこんなことをしている?
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