突然の来客者

12/14
前へ
/51ページ
次へ
「行ったか。」 大介は呟き、安堵と心配の入り混じった表情をうかべた。 茂吉が大護を連れて行った理由がわかったのだ。 大護は今年、10歳だった。 草取りもしたし、少し休憩でもしようかと、大介は大きく伸びをし、家の中に入って行った。 「とよ、帰ったぞ!」 大介はわらじを脱ぎながら愛する妻の名を呼んだ。 すると、奥から長い髪を後ろでまとめた、凛とした表情の女性が出て来た。 大介の妻で、大護の母親、とよである。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加