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「行ったか。」
大介は呟き、安堵と心配の入り混じった表情をうかべた。
茂吉が大護を連れて行った理由がわかったのだ。
大護は今年、10歳だった。
草取りもしたし、少し休憩でもしようかと、大介は大きく伸びをし、家の中に入って行った。
「とよ、帰ったぞ!」
大介はわらじを脱ぎながら愛する妻の名を呼んだ。
すると、奥から長い髪を後ろでまとめた、凛とした表情の女性が出て来た。
大介の妻で、大護の母親、とよである。
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