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「あら、お疲れ様。」
とよはそう言って居間から顔を出し微笑んだ。
「ああ。大護は茂吉のところへ行ったぞ。おそらく唱印式のことじゃ。」
大介も居間へ上がり、とよの隣にゆっくり腰掛けた。
「唱印式ですか…。あの子も唱人になるのねぇ…あの子ちゃんとできるかしら?すぐ泣くんじゃないかしら?」
とよは心配そうに尋ねた。
「なぁに、大丈夫じゃ。あいつは今はヘナチョコじゃが、そのうちすぐに一人前になる。なんせ、この俺とお前の大事な息子じゃからな。」
大介はとよの頭を自分の首もとに寄せた。
「そうね…私とあなたの息子だもの…信じましょう。」
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