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「全員揃ったか」
大護が後ろを振り向くと、いつの間にか茂吉が立っていた。
一瞬にして、大護の顔がひきつる。
「ヒィィ…ま、まだ……」
大護は辺りをキョロキョロ見回した。
不安げに草治にチラリと視線を送った。
草治は視線に気付き、ため息をついた。
「まだ京次郎が来てねぇよ。だりーな、もう。」
茶色い髪をかきあげ、林檎を一口かじった。
「京はいつもじゃねぇか」
小音も幹に寄り掛かりながら言った。
「だ、だそうです……」
大護は、再び茂吉の方を向いた。
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