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「え…?」
四人は、驚いた顔をした。
「それって…」
「遅くなってすいませんしたぁ~」
大護が声を発すると後ろから声がした。
慌てて後ろを振り向くと、手を振りながら歩いて来る喜世助の姿があった。
その後ろには、すました顔をした京次郎がいた。
大護は京次郎に駆け寄り、肩を揺さぶりながら言った。
「おまえおっせーんじゃ!」
「うっっせーな、耳元で大声出すんじゃねーよ。くそったれが」
京次郎は大護の手を払った。
「おまえのせいで、茂吉のおじちゃんがご機嫌斜めなんじゃぞ!」
大護は小さな声で訴える。
「は?んなの知ったことか。あんなくそったれ勝手に怒らせとけよ」
京次郎はこの里で唯一茂吉を恐れない子供だった。
「うわっ、ばっばか」
大護は慌てて京次郎の口を塞ぎ、ちらりと茂吉のほうを見た。
幸い、茂吉は小音と霞と話していて気付いていないようだった。
大護ははぁと胸を撫で下ろしした。
「まぁいいや…早く来るんじゃ。」
京次郎の手を引っ張り、歩き出した。
「おまえが引き止めたんだろ」
京次郎はボソッと呟いた。
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