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京次郎はそのまま、大桜の根本に腰掛けた。
「おい、京次郎」
茂吉は京次郎の前に静かに歩み寄り、呼びかけた。
「…なんスか」
京次郎はゆっくり顔を上げ、茂吉を睨み付ける。
「遅刻だ」
「…あぁ、そっスね…以後気を付けます」
京次郎は下を向き、頭を掻きながら小さな声で言った。
「……」
茂吉は目を大きく見開き、京次郎を睨み付ける。
気まずい空気が流れる。
「…まっまぁ父さん、京次郎も気を付けるっつってんだからさ、まぁ今日はいいじゃん?」
喜世助がわざと明るく言う。
「…フン。では皆、俺の周りに座れ。本題に入ろう。」
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