11人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう、唱印式のことだ。では唱印とは具体的にどのようなものかわかる者はいるか?」
『………。』
今度は誰も何も言わなかった。
「ほらほらぁ、みんな知らねーんじゃねーかぁ」
大護はいきなり立ち上がり、威張って見せた。
「いやおまえも知らねーんだろ」
座りながら大護を見上げ、草次があっさり言い放つ。
「お、おう…」
大護は背中を丸めてしょんぼり座った。
「ハッ」
京次郎はそんな大護を鼻で笑った。
「おい!京!笑うなぁ!」
大護が京次郎をビシッと指差す。
「……。」
京次郎は何も言わない。
最初のコメントを投稿しよう!