序章

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視点が定まらず 虚ろな目をした男は 二、三歩よろりと歩いた。 そして 自分の腹に刺さったままの刃を 勢いよく引き抜いた。 鮮血が噴き出す―――― ドクドクと流れる血を 気にもせず 血濡れた刃を 舌を出して舐めた。 ニヤリ――― 不気味な笑みをうかべると、両手を広げ、天を仰いだ。 ヒャッハハハハハハハ―――― 男の高笑いは いつまでも合戦場に響いた。
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