11人が本棚に入れています
本棚に追加
視点が定まらず
虚ろな目をした男は
二、三歩よろりと歩いた。
そして
自分の腹に刺さったままの刃を
勢いよく引き抜いた。
鮮血が噴き出す――――
ドクドクと流れる血を
気にもせず
血濡れた刃を
舌を出して舐めた。
ニヤリ―――
不気味な笑みをうかべると、両手を広げ、天を仰いだ。
ヒャッハハハハハハハ――――
男の高笑いは
いつまでも合戦場に響いた。
最初のコメントを投稿しよう!