数ヶ月が過ぎ…

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数ヶ月が過ぎ…

大分、落ち着いてきた、姉も結婚が決まり、どうやらこのデカイ屋敷にとうとう一人になってしまった。「一人じゃないよ」愛犬の太郎が言う、そうだ太郎がいたな。みんないなくなっちゃったね?「あぁ…」俺は父の精神を受け継ぎ、母の優しさも忘れてない、「太郎、大丈夫だよ」何があっても守るから…。「そんな事言ってパパンみたいにいなくならないでよ」だが悲劇はこれに納まらなかった。毎晩毎晩、見覚えのない少年がうちを訪ねてくるのです。少年は4~5歳に見える、だが決まって夜中に訪れては悪戯を繰り返すのである。鍵を破壊された形跡も、窓を破った形跡もない…でも確実に毎晩、ベッドでトランポリンをしたり、冷房を暖房に切り替えてみたり…しばらく不眠が続いた。ある夜、あまりの睡眠妨害に少年を捕まえ、問い質してみた。「君は誰なんだい?」少年は押し黙ってしまった…、…しばらくしてその小さな口が開いた「パパ?なんで寝てばっかで遊んでくれないの?」僕はあなたの頭の中のエゴの塊だよ。「遊んでってば~、僕も水族館見てみたい、海、行ってみたいよ」
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