数ヶ月が過ぎ…

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…ここは夢の中なのだろうか、現実世界なのだろいか、信じがたい事が次々と起こる、車を走らせれば間違いなく電柱の陰から奴らが飛び出してくる、奴らはタイミングを図っている。きっと後についた車とグルだ。人目を拒んで夜中に行動、少年の訪問は日を置くようになっていった。ある月が綺麗な夜に、散歩に出掛けてみた。夜風の心地よさに草木が歌い、星は最期の力を振り絞るかのように輝いていた。懐かしい、昔よく遊んだ河原に腰を落ち着かせて、日々起こる事柄を深く考えていた。…トントン、誰かに肩を叩かれた気がした、こんな時間に…また少年か?…いいや、それどころではない、しばらくすると…トントン、さっきより強い力で体ごと揺さ振られた。振り返るとそこにはモノ哀しげな一人の女性だ、昔どこかで会ったような独特の雰囲気を持つのである。背中には天使を思わせる立派な翼が生えている。「私は風の神に仕える天使です」細々とした声で言う。「風の王子との許婚を剥脱し地上へ落とされてしまいました」なにやら落ちた衝撃で羽を骨折してしまったらしい…
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