第1月 月ノ神

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「ねぇねぇ、知ってる?例のウワサ!」 「ウワサ?」 4人の女性が円を作って話し合っている。 「知ってる!うちの会社のビルの屋上に、幽霊が出るんでしょ?」 「え、本当?」 「うん。」 「確か…子供の霊って聞いたよ!」 「夜中に、警備の人が見回りの時に見たらしいね~。」 「どんな子供なの?」 「確かね…金髪の子供らしいよ?」 「金髪…ねぇ。」 「きっと、外国の子供なんじゃないかしら?」 「ああ、そうかもね~。」 「やだ、こんな話してたら、怖くなっちゃった…」 「じゃあ、早く終わらせて、飲みに行かない?」 「いいね、行く行く!」 「じゃあ、張り切ってやらなきゃ!」 こうして、 女性社員達は残業を片付け、 会社には誰もいなくなった。 それから数時間経った頃。 2人の警備員が、 暗いビルの中の見回りをしていた。 男1「そういえば、このビル、最近幽霊出るらしいな…」 男2「らしいっすね…」 男1「嫌だなぁ…全く…。」 男2「大丈夫っすよ、いざとなったら逃げましょう。」 男1「ははは…オレたちの仕事は警備だぞ、逃げてどうするんだ?」 男2「そうっすけどー。幽霊の対処法なんて分かんないっすよ。」 ビル内を全て見終えて、 警備員たちはは屋上へ向かった。 男1「いるかねぇ…」 屋上のドアをゆっくりと開け、 隙間からこっそりと様子を窺った。
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