193人が本棚に入れています
本棚に追加
男2「!!」
嫌な予感は的中した。
屋上には人影が。
子供、のようだ。
子供が、屋上の手すりの上に腰かけていた。
月明かりに照らされ、
髪が美しく輝いている。
金色の長い髪だ。
その子供の側に、
金色の光輝くものがふわふわと近づいていった。
その光は子供の側で浮いていた。
2人の男は、ごくりと唾を飲み、
ドアを開け、ゆっくりと子供に近づいていく。
するとその子供が、
光に向かって話し始めた。
?「そっかぁ…やっぱないか。」
少年の声だった。
ありがとう、と言うと、
小さな光はパッと消えた。
男1「き、君!何をしているんだい…?」
警備員の1人が、
思いきって声をかけた。
?「!」
男2「もう夜中だから、早く帰りなさい。君は、最近よくここに来ているみたいだけど…」
?「…もし、ここに居ちゃいけなかったんなら、謝るよ。でも、もう帰るからさ。ちょっと探し物してたんだ。」
子供は振り返ることもせず、
背後の男たちに言った。
男1「探し物…?」
?「そう!」
すると少年は、
手すりの外へと下りた。
男1「お、おい、君!そっちは危ないぞ!」
?「ここにもやっぱ、なかったよ。」
そしてギリギリの所まで行き、
少年は両手を横に広げ、
下へと落ちていった。
男2「あぁっ…!!」
警備員は、
急いで手すりを乗り越え、
下をのぞき込んだ。
男1「くそ、ここからじゃ見えない…」
2人は大慌てで階下へ下り、
外へと飛び出したが、
そこには少年の体も、
血の跡も、何も残っていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!