🌸さくら🌸

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『ただいま』 彼を見下ろしている視線はまるで太陽のように暖かくて、とても大切なものを慈しむように微笑んでいる。 『………どうして』 言いたいことはたくさんあったはずなのに、彼の唇から零れ落ちた言葉は、たった一言。 まるで魔法にでも掛かってしまったかのように動けない。 とても長い時間、そうしていたように思う。 ただ見つめ合い。 やがて手が差し延べられた。 『おいで、一緒に行こう』 時間が、動き出す。
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