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「おはよう、ウィルス。今日の君も一段と美しいね。」
ヴィクトリアがドアを開けて入るや否や、ジェラルドはヴィクトリアに近付き、手の甲に唇は押し付けた。そして、ヴィクトリアを見てにっこり笑う。
「…早く手を離しなさい、ジェイド。いつまでそのままでいるつもり?」
ヴィクトリアはジェラルドを偽名で呼び冷たく睨みながら、そう言う。
「この愛が君に届くまで。」
そう言ってジェラルドは、ヴィクトリアを抱き寄せようとした。
「いい加減にしなさい、お客様がいるわ。それとも、今この場で血塗れになりたい?」
そう言いながら銃のロックを外すヴィクトリアを見て、ジェラルドは残念そうな表情を浮かべながらヴィクトリアから離れた。
ヴィクトリアは銃をしまって、ドアを大きく開く。
「私の事務所へようこそ。早速お話を聞かせて頂けますか?」
ヴィクトリアは営業スマイルを浮かべながら、女性を招き入れた。
「先程は失礼致しました、Ms.。無礼をお許し下さい。」
ジェラルドはいつものように、女性に笑顔を振り撒きながら、そっとコーヒーを置いた。その笑顔に女性の頬少しだけ赤く染る。
「いえ…気にしてませんので////」
そう女性は言いながら、ジェラルドを見つめる。
ジェラルドはにこやかな笑みを浮かべ、今にも女性を口説きそうだ。
「コホン、えーと、Ms.。まだお名前をお伺いしてませんでしたね。教えて頂けますか?」
ヴィクトリアは咳払いしてから、そう言った。
「あっ…!はい!」
そう返事をすると、女性は話し始めた。
女性の名前はテレサ・マドーナ。そして今回の依頼は夫の浮気相手と、夫の殺害だった。どうやら夫の方も、テレサの命を狙っているらしい。
そして、夫と浮気相手の写真も一緒に取り出した。
「承りました。もう安心して下さって結構ですよ。ただし、二人殺すとなると、お金の方が―――。」
「$10,000,000ほどあれば足りますか?」
テレサはさらりとそう言う。
「えぇ。」
ヴィクトリアも上機嫌で言う。
「良かった、それじゃお願いします!」
そう言うと、女性は事務所から出て行った。
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