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月曜の昼休み、俺は佐々木先輩に会いに行った。
先輩のクラスの人たちは皆揃ってテンションが変な人達だと、最近気が付いた。何せ、俺がクラスに入ると色んな人が絡みにくる。それも飯時とあって、頼んでもないのに無理矢理おかずを食べさせられる……と言うか、あなたは誰ですか。
ド派手に絡まれたおかげで、佐々木先輩が大笑いしながら手を振ってきた。
「あっははははは!!晴久くん何してんのさ!」
「ぃや、俺にもさっぱり…」
どうやら落ち込んでいたりはしてないようだ。
それに安堵の笑みを浮かべると、佐々木先輩がじっと俺を見ているのに気が付いた。
な、なんだ…?
何かしただろうかと焦っていると、先輩はとんでもない発言をした。
「ねぇ、晴久くんはナルシストじゃないの?」
「………は…?」
思わず間抜けな声を出してしまった。否、そんなことはどうでもいい。今この人は何と言った?
ナルシスト……ナルシストじゃないの?と言ったよな…。俺に、ナルシストではないのか?と。あの兄貴のように…ナルシスト……。
「──ッじゃない!!」
「そうなの?」
そうだよ!!何で俺がナルシストなんだよ!!やっぱり兄貴のせいか兄貴のせいだな!最悪だ!!
俺が憤慨していると、不意に制服の裾を誰かに引っ張られた。そちらに目線を向けると、何時も先輩と一緒にいる松本先輩が俺を見上げていた。
「ぁ、あのね、真美…悪気ないから……ぁの、怒らないで?」
松本先輩は何時も俺に対してオドオドした態度をとるのだが…嫌われているのか?俺…。
「いえ、大丈夫です。佐々木先輩は何時も悪気なしで凄いこと言いますから」
俺の言葉に小さく笑う松本先輩は、佐々木先輩と違った可愛さがある。
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