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推薦入学を見事に落とした三浦凛は、図書館で勉強を始めた。凛の友達、仲良しグループは、高校受験という壁をあっさりと通り抜け、最後の中学校生活を楽しんでいる。春から同じ高校に通うために、頑張っている。
あたしだって馬鹿じゃないんだから、緊張さえしなければ絶対面接だけで合格できたのになぁ。
凛は、あくびを噛み殺し、涙目になりながら館内を見回した。
ドラえもんがいれば、試験も余裕なんだけどなぁ。透明人間なんかもいいな。テストの答えとか、見れちゃうじゃん。
早くも勉強に飽きてきた凛は、ノートを机の上に広げたまま席を立った。そしてオカルト・ホラーの本が並ぶ棚に向かった。
頭がよくなる、おまじないとかの本ってないかな――。
心霊現象や、学校の怪談の物語の本がある。その中に恋愛成就のおまじないや、占い本までもあった。それらを手に取り読んでいると、一冊の本が目に入った。背表紙が内側になっていて、題名が見れない。黒い本だった。凛はその本に手を掛け、本棚から出す。
【幽体離脱のすすめ】
そう書かれた表紙は、色彩のついていない白黒で、ベッドに眠る女の人のイラストがあった。気持ち良さそうな寝顔をした頭から、透けた体が抜け出ていた。
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