【幽体離脱のすすめ】の巻

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 仰向けに寝転がり、腕を天井に伸ばして本を読む。幽体離脱の方法に目を向ける。  [幽体離脱法  自然的に言えば、通常の睡眠の過程にはない、入眠からの突然のレム睡眠によって金縛りが……]  意味がわからず、睡魔に襲われてしまいそうだ。レム睡眠とはどういう状態なのかさえ知らない。次のページをめくると、幽体離脱の方法を番号で段取っている。  [1,仰向けに寝る。部屋の温度は暑くもなく、寒くもなく、寝具も快適なのが理想です。真っ暗よりも少し明るさは残っていたほうがよい。]  真っ暗よりも少し明るいということは、夜がいいのだろう。凛は「ふーん」と呟きながら、次の項目に目を向けた。  [2,目を閉じて、上空1~2メートルくらいのところに自分の分身をイメージする。そのとき、できるだけ精密にイメージするとよい。分身の服装は自由。]   服装が自由ということは、買いたくても買えないブランドの服とかも着れるのだろうか。目をキラキラと輝かせた。凛は勢いをつけて起き上がると、ベッドの下に放りっぱなしにされているファッション雑誌を取った。  自分の分身をイメージするのは上手くできないかもしれないが、着たい洋服をイメージするのは余裕でできそうだ。
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