12人が本棚に入れています
本棚に追加
ただ一人、浩一だけが冷静に竜司を見据えている。
「最初に木下を襲った犯人を取り逃がしたのもそうだ。あの時、君が油断しさえしなければ事件はここまで大きくならなかった」
「コウやめろ」
武が浩一を止める。
「いいや、やめない。君はいつでも自分の力を過信し過ぎているんだよ。だから失敗する。そして失敗したら自己嫌悪か。見ているこっちは不愉快だし、振り回されるのもいい迷惑だ」
竜司は弾かれたように立ち上がると拳を固め浩一の顔面に叩きつけた。
鈍い打撃音が響く。
最初のコメントを投稿しよう!