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あ、そういえば、食事をしていた時に、思い出したことがあります。
ええ……そんな大したことじゃないんですけど……前に、夜中にコンビニに行った時です。
なんか、猫の鳴き声が聞こえるんですよね。どっちかと言うと、サンズイの泣くって感じ……分かります?
あ、はい、そうです。何か悲しそうな感じで。
何だろう、と思ってたら、車道で猫が轢かれてたんですよ。黒い猫でした。後ろ半身はグシャっと潰れてたんですけど、死にきれなかったんでしょうね。
すごく悲しげな声でした。
……え、僕がどうしたかって?……別に、どうもしませんよ。
……だって、僕は獣医じゃないし、獣医だったとしても、助けようがないでしょう。
そりゃあ、轢かれたのが人間だったら、救急車を呼ぶなりなんなりしたでしょうけど。
だって、猫ですよ?
……さあ、知りませんけど、誰かが保健所に連絡したんじゃないんですか?
いえ……別に……僕が轢いたわけじゃないですしね。
さあ……ただ、思い出しただけで、深い意味は無いです。
まあ、あいつだったら、墓を作るぐらいなことはしたかもしれませんね。
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