十四章 夕刻、欠けてゆく夢

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僕たちをもっと執拗に追って来るものだと思っていたが、奴らは僕たちがやってくるのを待つだけだ。 もしかして僕たちが再び戻ってくるのをわかっていたのか? 「そうか…人質…って事か」 あの四人が僕らの仲間だって事は明らかなことで、もちろん僕が相当非情でない限り戻ってくることも明らか。 いや、それ以前に…もう見つかっていたのなら…。 ―――「白麗神社に侵入したと思われるあの二人は、現在小春荘の約三百メートル西側にいます。やはり小春荘を目指しているようです」 「ふん、やはり戻ってくるか。不死の女も一緒に…」 「問題は小春荘です。残り四人ですが、たった今外へ出たとの事です」 「構わん。結局は風前の灯火。最後に小春荘に誘導すればいい事だろ」 「ですが中に一人、見知らぬ女が混じっているんです」 「何?そいつの身元は調べたのか?」
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