13231人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は目を凝らして周りを見る。
「可愛い顔してるのね」
そして僕はようやくその人を見つけた。
僕の隣の部屋の窓から同じように、手すりに寄りかかっている女性。
「あ、は、は、はじめまして」
いつもより輪をかけるように数段とテンパっている僕。
それはその人のルックスにあった。
301の梓さんも可愛かったが、この人はまた違った美しさを纏っていた。
可愛いより綺麗と言った方が正しいのだろう。
長い黒髪と綺麗な黒い瞳。顔はまるでモデルのような整いすぎるほど整った顔。テレビに出ていてもおかしくないほどである。
そんな女性が今僕の目の前にいるのだ。緊張しないわけがない。
「堅苦しいわね…お隣さんじゃない…仲良くしましょ」
その女性は随分落ち着いた口調で僕をなだめる。
(会話してるよ僕!やばいよ!)
心臓の音が聞こえてきそうな程高鳴っているのがわかる。
最初のコメントを投稿しよう!