二章 初日、目覚めた後

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そのドアの前に立ってみるとひどく緊張した。 このドアの向こうで梓さんは何をしてるんだろうか。 思考回路がだんだんといかがわしくなってゆく。 夢の世界へ逃避しそうになる心を捕まえて引き戻した。 「紳士だ。紳士的にだぞ」 僕は意を決してドアをノックした。 コンコン… ドキドキしながらも、彼女がドアを開けるのを待つ。 「………あれ?」 返答がない。もしかしたら留守なのか。 もし留守なら今この瞬間は相当なアホ絵図柄になってしまうではないか。 ドアの前でバカみたいな妄想を繰り広げた青少年が、留守なのにそのドアを叩くのを躊躇ってしまうなどとは! いや…待てよ。まだ必ずしもこの向こうに梓さんがいないとも言い切れない。 僕のノックが小さすぎたのか、またはトイレに行ってたのか… ト、トイレ!? 待て待て待て、落ち着け!Be cool!
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