二章 初日、目覚めた後

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だけどそんなギャップがまたたまらない。 う~ん…かわいい… 僕は梓さんに見とれすぎて話を聞いていなかった。 「あ、一美(ひとみ)さん!こんばんは!」 梓さんは突然誰かを見つけたらしく挨拶をする。 その先にいたのは見覚えのある女性だった。 その姿を見るなり、僕の心臓は再びバクバクと荒い脈動を始めた。 そこにいたのはさっき部屋の窓から会話をしたお隣りさんだったからだ。 「梓ちゃんか、こんばんは。あら、新入り君も一緒なの」 「あ、は、はい」 「あぁこの子は今日から新人の葉山秀樹君です」 「H.H…」 (…H.H?あぁ…イニシャルか…確かにH.Hだけど…どうかしたのかな?) 疑問は感じたけど、僕はギャグとして片付けることにした。 「そう言えば新入りの秀樹君、自己紹介をしてなかったわね。私は萩原一美(はぎわらひとみ)。よろしくね」
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