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桜の花びらがひらりと駅のホームへ舞い落ちた。
僕は列車から降りてその花びらを拾う。
綺麗な花びらをそっと手のひらに乗せれば、それはすぐに風に吹かれて飛んでいった。
「さよなら」
花びらに向かって小さくつぶやく。
そしてもう一言、
「初めまして、新しい町」
長いこと電車に揺られてたどり着いたのは、随分と殺風景な町だった。
「のどかな町だなぁ」
ポカポカの陽気に誘われて、僕はその空に両手を伸ばした。
駅員もいないような駅のホームから階段を降りる。
二十段ほどのひび割れた石段を下りれば、僕の目的地がすぐそこに見えた。
「小春荘、ここだ!」
ここから僕の大学生活がスタートするんだ。
僕の胸はそう、まさにはちきれそうな程高鳴っていた。
これから四年間を夢見るだけで胸がときめくのだ。
そんな妄想に陶酔していると、すぐ横を女の子が通りすがる。
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