二章 初日、目覚めた後

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僕が求めたのは恋だった。 「じゃあ帰りますか」 「あ、はい!」 僕と梓さん、二人で夜道を歩く。ほんの少し前までは、まだ明るかったような気もする。 まだ夏までは遠いと言うことなのかもしれない。 「ヒデ君は彼女いないの?」 少し驚くが、僕はあくまで冷静を装って話した。 「いませんよ」 「意外~。いると思ったのに」 「そうですか?そんな風に見えますかね」 「うん、背はちっくいけど、顔も性格も悪くないと思うよ」 梓さんにそんな風に言われると、随分気持ちがいい。 いきなりそんなこと聞いてくるなんて、もしかして梓さんは僕に気があるのか? 少し妄想の度が過ぎた。そんなわけない。なんて事ない普通の会話だ。 「梓さんは?梓さんはどうなんですか?」 「うん?」 「その…彼氏とか…」 ついに僕は聞いてしまった。 もう自分で自分を褒めてやりたい気分だ。
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