二章 初日、目覚めた後

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「えぇ!ウソ!どこどこ!どこにいるの!?」 「ほら!あそこ!」 その指の先にUFOがいるはずもない。 「いないじゃない!どこにいるの!?」 「なんてね。ウソですよ」 「ウソ!?むぅ~っ!お姉さんをバカにしたね!」 「そんな事ないですって!」 「問答無用!」 僕は先に走り出す。僕の後を追い梓さんが追いかけてくる。 そんな風にして僕らは桜舞い散る中を駆けていった。 ようやく戻って来る頃には時刻は十時を回っていた。 「いやぁ~いい汗かいた」 「つ、疲れた…」 梓さんは随分疲れたように玄関の壁へ寄りかかった。 「今日はありがとうございました。また、色々教えてください」 「あ、うん。でももうこんな駆けっこはイヤだよ」 「ははは…そうですね。あ、そうだ梓さん…お風呂ってどこですか?」 そう、それは僕がすごく気になっていた所。だけど、すっかり忘れていた。
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