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「あぁ…そうだったね。ついてきて」
梓さんの後を追ってついてゆく。
僕らが住むこの小春荘の仕組みを早くも理解することが出来た。
一階と二階が客室。一般客専用の階だ。
そして三階は僕らの住む部屋。
基本的に一、二階と三階は切り離されている感じで、空間が隔てられているようだ。
あくまで自分の感覚としてだけど。
僕はその階段を三階まで上り、そして一番奥の突き当たりまで歩いた。
「この小春荘はトイレとお風呂は共同なの。我慢してね」
「平気です」
「男と女用に別れてるけどね」
心の中で舌打ちする。少しだけ妄想の中で混浴を夢見ていたから。
「トイレはどこにでもあるような洋式だけど、お風呂はかなりの自慢だよ」
横には僕の部屋の扉がある。つまりお風呂は僕の部屋のすぐとなりと言うことだ。
梓さんがお風呂の扉を開くと、すぐに別れ道があった。
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