二章 初日、目覚めた後

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意外と鍛えた肉体は決まっている。着やせするタイプの僕は、着衣時はその肉体にはあまり気づかれないのだ。 「カッコいい…」 鏡の前での肉体披露を終えると、ガラス拵えの扉を横へスライドさせた。 その風呂場を覗いての第一印象は『すごい』の一言だった。 「ほぇ~…すごい…」 ここの住人専用のお風呂だというのに、まるで客をもてなすような造りである。 床も浴槽もすべてが木製で、桧の香りが印象的だ。 浴槽自体もかなり大きめ、壁面はガラス張り、シャワーも完備されている。 「イエイ!」 僕は浴槽へと飛び込んだ。 「あつっ!」 すぐに飛び出した。 まさに温泉。ものすごく熱い。 「いくぜもう一回!」 再び突入する。もう少し落ち着いて入れば良かったと後悔する。 相変わらずの温度だが、しばらく浸かってるとその温度にも慣れてくる。 「うん、いい湯加減」 浴槽の縁に頭を乗せて天井を見上げる。
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