三章 翌日、始まる毎日

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コンコン… 「う…ん…」 物音に目が覚める。いや、まだ眠い。寝よう。 「………」 コンコン… また聞こえた音。 ううん、聞こえない聞こえない、なぁーんにも聞こえない。 おやすみ。 「………」 ドゴンドゴン! 「うをらぁっ!起きろ新米!」 ものすごい勢いで扉が殴打されている。そして甲高い怒声も聞こえる。 扉が壊れてしまいそうだ。 「入ってまぁ~す」 言葉を返す。 「あ、ごめん、入ってたんだ…。早く出てね。杏子(あんず)もう我慢できないから」 「はいよ」 スタスタ… 「バカぁーーー!」 バコンバコン! 甲高い奇声と共に、再び部屋の扉が殴打された。 「起きてんならさっさと出てこいや!」 さすがにこのまま放置すると扉を壊されかねない。 それにまだ新しい生活二日目。ここで住人達に溝を作るわけにはいかない。
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